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ガネルのこの著作、「政治理論」を政治と政治学との関係性において鋭く描き出す刺激的な著作であった。単純な知識として示唆を得たのは、1971年にハーバーマス"Knowledge and Human Interests"が英訳され、翌年にはホルクハイマーの批判理論論文集もだされることで、ドイツの批判理論がアメリカ政治理論に影響を与えた、ということ(本書420頁)。具体的にどのような影響下が書いてないのが残念だが、ちょっと認識を改めざるを得ない。
アメリカ政治理論の系譜 (MINERVA人文・社会科学叢書)
- 作者: ジョン・G.ガネル,John G. Gunnell,中谷義和
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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ニーチェのアメリカ政治学への影響についてはシュトラウス経由(添谷(1995)が有益そう)、アレント経由(ホーニッグとヴィラのPT上の論争を読まねば)、それからフーコー経由(ネオ・ニーチェ主義者)という3つの流れについて検討しようと思っていたのだが、フランクフルト学派の人々の議論というのはこれとどう関わるのだろう、という疑問がでてきてしまった。まあこれはむこう3年くらいの課題か。